ビ ワ バラ科 常緑高木

実が熟しました

 初夏にオレンジ色の実がたわわに生るビワ。おいしい実はご存知でも、葉っぱの薬効の高さを知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。仏教の経典のひとつ「大般涅槃経」(だいはつねはんぎょう)の中で、ビワの木は「大薬王樹」、ビワの葉は「無憂扇」と呼ばれ、大変優れた薬効があると伝えられています。ビワ葉は自然療法の代表格の存在です。その薬効の秘密は、ビワ葉の中にあるアミグダリンという成分。「自然療法」によれば、アミグダリンはガン細胞を正常に戻す働きがあるということです。ガンに限らず、日常のさまざまなケガや病気に利用でき、我が家ではかなり親密な仲となっています・・・

 

【草木の癒しレシピ】
治療で使うビワ葉は、できるだけ古い色の濃いものを使います。薬効成分は、アミグダリン・サポニン・ビタミンB群・C・タンニンなどを含んでいますが、注目されているのがビタミンB17(アミグダリン)で、がん細胞を破壊する作用の報告があります。
ビワエキス 生のビワの葉を細かく刻んで、35度のホワイトリカーに漬けておきます。3ヶ月ぐらいすると茶色くなってきて利用できます。切り傷・火傷・湿疹・アトピー・虫刺され、口に含んで口内炎・歯そうのうろう・歯痛、風邪ののどの痛みにはうがい。
ビワ葉茶 ビワ葉を煎じて飲みます。煎じるには、土瓶がベスト。胃腸・内臓・咳止め・痰きり・利尿、その他健康増進。
ビワ葉風呂 煎じた液・葉をそのままお風呂に入れます。ビワ葉茶の残りでもOK。何日かそのまま入るとお湯の色も濃くなり体の芯から暖まります。あせも・アトピー・とびひなど皮膚の病気全般。風邪には、手浴・足浴が良い。
ビワ葉コンニャクシップ ビワ葉のつるつる面を患部に当て、10分くらい茹でたコンニャクをタオルにくるみ、ビワ葉の上にのせます。30分ぐらい(子ども・老人は10〜15分)したらはずし、最後に冷たいタオルでふきます(脾臓は冷やします)。内臓(腎臓・肝臓)の働きを助け病気全般の回復、喘息、風邪、慢性病にも良し。
ビワ種の塩漬け 実を食べた後の種はとっておいて、塩をまぶしてビンに入れて保存します。ビワの実には葉の1300倍のアミグダリンが含まれています。湿布やお風呂に利用。
*以上は我が家でいつもやっている治療法です。すっかり生活にとけ込んでいます。

 

【栽培のポイント】
 生育旺盛な木で病害虫の心配もありません。一般に「ビワの木を庭に植えると病人がでる」という迷信があったのは、その生育旺盛さが家を日陰にしてしまうからでしょうか。むしろ病人救いとして、一家に1本ほしい木です。日陰に強い木なので、家の北側の植栽でOKです。鉢植えでも、よく成長し実をつけてくれます。11月頃から冬の間花を咲かせ、翌年6月ごろに実が熟します。鳥が大好物ですので、熟してくると食べられてしまいます。耐寒性は普通ですが、寒い地方では冬の寒さで花・実が痛み、実が付かなくなるようなので保護が必要です。葉の利用なら問題ありません。園芸品種もありますが、実生苗でも実を付けむしろ丈夫で葉の利用には適しているようです。

 

花実は子どもたちの大好物。
種は種まき・塩漬け。
喘息気味で胸に生葉を貼っています。

 


子供たちでビワエキスづくり

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